シリコンバレーに並ぶ
エコシステムをつくる
知能の謎を解き明かす
ACTIVITIES
活動
基礎研究
「知能を創る」ことをビジョンに掲げ、ディープラーニングの研究を推進しています。特に、世界モデルやロボット研究、大規模言語モデル、脳×AIに関する研究を進めています。
人工知能は約60年の歴史がある分野ですが、これまでの研究では、知能の仕組みや脳の構造についてほとんど分かっていません。もちろん脳に関しての部分的な知見はたくさんありますが、そもそもどういう仕組みによって、我々がこのような認識をもっているのか、学習できるのか、言葉をしゃべれるのか、意識をもっているのかなど、謎だらけなのです。私はこれを解き明かし、人間の知能という仕組みを解明したいと思っています。
ディープラーニングに関する研究としては、深層生成モデル、深層強化学習、表現学習などの基礎技術の開発を行っています。特に最近は世界モデル (world models) を知能を工学的に実現する重要な技術であるととらえ、ロボット操作への応用などにも取り組んでいます。松尾研究室では、実世界での知能の実現を目指した研究開発コミュニティとしてTRAIL (Tokyo Robot And Intelligence Lab)を運営しています。
大規模言語モデル研究においては、大規模言語モデル“Weblab-10B”の公開や、研究開発から得られた知見を活かした大規模言語モデル講座を実施しています。
また、急速に蓄積が進む神経科学知見を踏まえつつ、脳の計算機能を支える、情報表現、機構、アルゴリズム、アーキテクチャなどを解き明かす研究にも取り組んでいます。
研究室メンバーの論文はこれまでトップティアの国際学会(ICLR、NeurIPS、ICML)にも数多く採録され、学生も工学系研究科長賞を始めとする賞を受賞しています。様々な専門性をもつ研究者が集まり切磋琢磨する環境で、毎週の最新論文の輪読会や海外の第一人者や外部有識者を招いた講演会・意見交換会を開催するなど、意欲のある学生・研究者が活躍できる環境を整えています。
研究室では、ディープラーニングの輪読を毎週開催するとともに、DL hacksという実装に関しての勉強会も開催しています。2015年度からはディープラーニングの講義を行い、現在年間約1万名の学生・社会人が講義を受講しています。講義修了生は人工知能の学術・産業界で広く活躍しています。
人工知能の動向については、2015年3月に刊行された「人工知能は人間を超えるか」が参考になると思います。「大川出版賞」「ビジネス本大賞 審査員特別賞」を受賞しました。また、モントリオール大学Bengio先生らの著書である"Deep Learning"や、Richard S.Sutton先生の”強化学習”を研究室メンバーが中心となり翻訳しました。
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講義
基礎研究の成果を価値のある学び・質の高い教育として多くの人に提供し、人・組織ひいては社会の変化に繋げることを目的に講義の活動も積極的に進めています。
講座内容としてはディープラーニング技術やデータサイエンスの基礎から、アントレプレナーシップ教育と幅広いテーマを網羅し、大規模言語モデルなどの最新技術に関しても、いち早く講座を企画し、手を動かしながら実践的に理解を深めることができる機会を提供しています。
特に2014年から開講している グローバル消費インテリジェンス寄付講座(GCI寄付講座)では、経済産業省および企業様から協力を得て、これまで延べ10,000名以上にデータサイエンスの基礎〜機械学習スキル習得の機会を提供してきました。東大生はもとより、全国の学生(大学院生、大学生、短大生、専門学校生、高専生、高校生、中学生)が受講可能です。社会人についても、メタバース工学部の法人会員の社員受講者や、ライフイベント(介護・育児等)による休職者の方も一部受け付けています。
将来に向けての基礎研究をしっかり行いながら、同時に、広く産業界に貢献するような研究室の形を目指しています。
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共同研究
民間企業と連携し、アカデミアの知見を社会に還元する共同研究にも積極的に取り組んでいます。
最新の研究・技術をビジネスに適用することで、社会に大きな価値をもたらすと同時に、企業が持つ豊富かつ実践的なデータを活用することにより、研究開発を加速させることを目指しています。 松尾研では前述の通り「知能を創る」ために特定のモデルに特化することなく、様々な専門家たちが集まりダイバーシティのある研究活動を行っています。 こういった技術シーズを社会に還元していく際にも、当然ながら自然言語処理だ けを扱う、画像認識だけを扱うという事なく、企業の抱える様々なニーズに合わせた技術を用い、課題解決に取り組んでいます。
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起業家育成
各産業のDXを推進する大学発スタートアップを年間100社輩出することを目指し、インキュベーション活動にも力を入れています。 これまで松尾研からはGunosyやPKSHA Technologyを始めとする、スタートアップを輩出してきました。私個人としても高専DCONの実行委員長を務めていますが、直近では高専生や中高校生など、優秀な若者が起業を志す事例も出てきています。 松尾研は今後もスタートアップ企業の育成を通じ、最新技術を社会に還元し、産学連携による新しいエコシステムの実現に取り組んでまいります。
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