人工知能とWebの意味処理に関する研究を行っています。さらに、Web2.0システムのデータ分析、知の構造化、ビジネスモデル分析といったテーマも研究しています。
人工知能とWebの意味処理に関する研究を行っています。さらに、Web2.0システムのデータ分析、知の構造化、ビジネスモデル分析といったテーマも研究しています。
人工知能は約50年の歴史がある分野ですが、これまでの研究では、知能の本質についてほとんど分かっていません。その原因のひとつは、人間が日々さらされる情報に匹敵するほどの質・量のデータがなかったことです。人工知能が生まれて50年たったいま、やっとWebという大量の記号データを扱うことができるようになりました。この記号データを使って、より知的な処理が実現できるはずで、それは知能の本質を明らかにすることにつながっていくと考えています。大量の記号の世界としてのWebを相手にしながら、ネットワーク的な視点からブレークスルーを目指しています。Webマイニングの研究、セマンティックグラフ(ネットワーク)の研究、機械学習の研究が大きな柱です。
人は、自分の理解できるようにしか世界を捉えられません。 価値の高い情報とは、人がそもそも存在することすら知らない、その人の考え方や価値観を大きく変えるような情報です。 しかし、現在の情報系の技術では、本当に重要な意思決定を手助けすることはできていません。 誰しも「自分」という文脈の特殊性と、一般的に知られる常識や知識の間で悩みますし、 多様で移り変わりの激しい現在では、一般的な常識も通用しません。 それでも、個人個人は、例えば進学、就職、結婚などの意思決定をしなければいけませんし、 企業や国家レベルでも経営戦略の策定、政策の策定など、重要な意思決定をしなければいけません。 意思決定のために必要な、価値の高い情報を提供するシステムをWebの情報を手がかりに構築することがひとつの研究目標です。
Webマイニングの技術を使うと、Web上の情報から、さまざまなエンティティ(人、企業、地名、製品、技術名など)の関係を抽出することができます。これを集めることで、大規模な知識ベースを構築することが可能になります。この知識ベースを使って高度な知識処理を実現したり、対象となる領域を可視化・俯瞰することが研究の目的です。
例えば、こういったWebマイニング技術を、産業や技術を取り巻く領域に適用することで、ある産業技術分野の様子やその変化を俯瞰することができます。それによって、技術の潜在的な影響力の評価や、新しく興ってきた産業技術分野を見つけ出すことができます。
Web2.0とよばれるユーザを巻き込んだサービスが発展しています。これらのシステムに共通するのは、ユーザのインタラクションですが、これがどういった形でシステムの魅力につながっているのかを明らかにすることは、今後の新しいサービスを考える上では重要な課題です。また、現在、日本では、インターネットやWeb上でのシステムを本業とする大企業や数多くのベンチャー企業がさまざまなサービスを提供しています。一方で、アメリカのシリコンバレー地区でも、無数のベンチャーが誕生し、GoogleやYahoo!をはじめとする大企業が誕生しています。こういった企業のビジネスモデルの違い、ビジネスを取り巻く環境の違い等について研究を行なっています。