...人工知能の教科書として最も定評があるのはWinstonの"Artificial Intelligence"であろう。この本が最初に出たのは70年代であるが、90年代にはいって改訂第3版が出版されている。Winstonは前述のように論文を書くのがうまいが、教科書を書くのがそれ以上にうまい。実際に聞いたことはないが講義も非常に得意らしく、MITの教官の中で最も優れた講義をする教授として表彰されたこともあるという。
松原仁先生「人工知能における「読んでおくべき本」」より
...筆者がまだ学生のころ,米国MITのPatrick H. Winstonの代表的教科書である「Artificial Intelligence」を読みながら,Lispでルールプログラミングをしたときの楽しさと感動を覚えている.これらWinstonの本は,AI技術の入門という観点からも,大変優れた良書で,現在でも代表的なAI入門書と言える.実際,筆者の研究室のOBで,本書の執筆のお手伝いを頂いた伊藤孝行君や大囿忠親君も,学生時代には,これらWinstonの教科書の原書を全訳し,その訳に苦労しながら,LispでAIプログラミングを楽しんだとのことである.
新谷虎松先生「Javaによる知能プログラミング入門 まえがき」より
...あの本はいい本だ(意訳)。
産総研 サイバーアシスト 中島秀之センター長
...あの本もいいが、「心の社会」と新しく出る本を読め(意訳)。
MIT Marvin Minsky教授
最近、AI研究の初心が忘れられている気がします。IJCAIに行っても、全国大会に行っても、「なぜその研究をしているのか」「それがAIとどう関わるのか」がどうも釈然としない。自分をAI研究者だと自己紹介しても、本当にAIの研究をしていると言えるのだろうか。もちろん、今活躍されている先生方は、昔のAIの流れを分かった上で研究しているでしょうが、私も含めて若手は昔のAIの初心とか問題点をよく知らずに、応用研究や社会性・身体性の研究など新しい研究をしています。でも、Minsky教授をはじめAIの創始者たちの思い、そしてそれを受け継ぐ今の研究者たちの考え、そういったものを理解して、今の自分の研究を考えたいと思うわけです。
それから、サイバーアシスト研究センターには、AIを主な専門分野とするコンテンツチームやマルチエージェントチームの研究者以外にも、デバイス・ソフトウェア・インタフェースといろんな専門分野の人がいます。そういった人たちがお互いにうまくコラボレートするためにも、共通の知識としてAIを理解する、そのために輪読を定期的に開くのは効果的かもしれません。
というわけで、WinstonのArtificial Intelligence第1版というAIの歴史的名著を輪読形式でみんなで読んでいきましょう!
下記の人たちが参加表明していただきました。他にも興味ある人がいれば、みなさん、どんどん誘ってください。サイバー内でもサイバー外でもOKです。若手で担当を回しながら、橋田さん・中島さん・高木さんらにばしばし突っ込んでもらうのが理想です。MLはwinston@m.aist.go.jpです(平塚さん、ありがとう!登録されてないと思われる方は、y.matsuo@carc.aist.go.jpとhiratuka@carc.aist.go.jpまでご連絡ください。)
メンバー(参加表明者)
松尾豊、西村拓一、篠田孝祐(JAIST)、中村嘉志、平塚誠良、山下倫央、常盤拓司、宮田高志、和泉潔、岡崎直観(東大石塚研)、幸島明男、白松俊(東理大)、遠山和也(工科大福島研)、網谷重紀(東大堀研)、相内正治(東大堀研)、金崎弘文(東大堀研)、谷口智哉(東大石塚研)、田中秀幸(東大町田研)、加藤義清(JAXA)、大田祥子(東大堀研)、村松正彦(東大堀研)、大竹
麗央(東大西田研)、小笠原嘉靖(東大西田研)、岡本 和憲(東大西田研)、大竹
麗央(東大西田研)、松村 真宏(東大西田研)、平田晋太郎(SONY)、濱崎雅弘(NII/総研大)...
メンバーリストはこちら
オブザーバ(暇なら顔を出してくれる人)
橋田浩一、中島秀之、車谷浩一、高木朗、太田正幸、和泉憲明、本村陽一
この本(第1版)は絶版で入手困難ですので、基本的にはコピーを使います。ただし、大量にコピー製本するのは著作権上大きな問題になりますので、個人で必要な部分だけ限定コピーすることにします。(それでも違法だけど、絶版本だしきっと許容範囲でしょう。)。ただ1人1人やっているとめんどうなので、具体的には次回分の章を必要な人にコピーして配る形にしたいと思います。
現在、本を入手してコピーしてあります。(簗場さん、ありがとう!)簗場さんが管理してくれているので、必要な人(章の担当者等)は、必要な部分を簗場さんに言ってもらってください。郵送して欲しい方は簗場さん(yuko.yanaba@aist.go.jp)までメールをしてください。デフォルトでは、毎回、次回分の章を配ります。
下記の通り、10月27日(月)に開幕しました。原則は次の通りです。
日程の変更はあるかもしれませんが、下のように予定を決めておきます。担当者が都合が悪くなった場合には、できるだけ柔軟に対応する予定です。
日にち | 時間 | 担当者1(章) | 担当者2(章) | 研究紹介 | |
18:00〜19:30@応接室 | 幸島(1章)[資料(25KB)] | 松尾(6章)[資料(12MB)] | |||
18:00〜20:00@応接室 | 和泉潔(2章)[資料(36KB)] | 宮田(3章)[資料(588KB)] | |||
同上 | 大竹(5章)[資料(32KB)] | 平塚(8章)[資料(313KB)] | 宮田、平塚 | ||
同上 | 岡崎(4章)[資料(364KB)、α-βデモ] | 遠山(7章)[資料(39KB] | 遠山 | ||
同上 | 白松(9章)[資料(93KB)] | 忘年会@お台場20時〜22時 | |||
1 |
同上 | ||||
同上 | 中村(10・11章)[資料(199KB)] | 金崎(12章)[資料(82KB)] | |||
2月16日(月) |
同上 | 山下(13章)[資料1資料2資料3(199KB)] | 西村(14章) | ||
同上 | 網谷(15章)[資料(60KB]] | 田中(16章)[資料(14MB)] |
※ 応接室とは、サイバーアシスト研究センター(産総研臨海副都心センター4F)の受付(秘書さんがいるとこ)の隣の部屋です。サイバーまでは、こちらをご覧ください。松尾携帯090-6047-3625です。
以下のように16個(いずれも30ページ以下)のパートに分けて、担当を決めました。担当の方、よろしくお願いします。
全8回、終了しました。毎回10名以上、だいたい15名程度の参加者があり、盛況でした。Winston本の概要や昔のAIではどんなことを考えていたのか分かったと思います。2004年度もまた輪読を企画する予定ですので、興味がある方はご連絡ください。
産総研 サイバーアシスト研究センター 松尾 豊(y.matsuo@carc.aist.go.jp)